咲き誇っている向日葵(ひまわり)
花の王様のような品格だ
下卑ているという批判もある
でも、その存在感は嫌いじゃない
そう、埋もれてしまうよりは・・・・・・
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11-① 人生初お見合い
せっかく前回で作ったのだから、「跳ぶ読書史上・最大の大きさのピョン子」再登場! 前回の続きである。
ピョン子の響き渡る一喝・・・・・・
フロアは静まりかえった・・・・・・
何だ何だ?
どうしたんだ?
ピョン子と話していた上司が、状況を察して別室にピョン子を連れて行った。
ヘビオ、何か聞いてるか?
いや、何も聞いてない・・・・・・
ピョンサブローとヘビオよ、何も心配はいらない。
君たちにはアイツがいるじゃないか。
「社内一の情報通」のアイツが・・・・・・
ほら、君達にはうっすら見えないのかい?
右下の深海をコソコソ、うごめいているカメの姿が・・・・
情報収集なら、任せな!
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夕方になった。
ピョンサブローとヘビオは、部屋の片隅で打ち合わせていた。
もちろん、通りかかるのはカメキチ。
カメキチ、今朝のピョン子の騒動について何か聞いてるかい?
フッ、カメキチ様を舐めてもらっちゃあ困るぜ!
カメキチによると・・・・・・
・大得意先から、息子の嫁さんとしてのお見合い相手探しの依頼があった。
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・何も考えてないピョン子の上司は、得意先にピョン子を推薦。
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・ピョン子に伝えた所、大激怒!「私の一生、そんなモンに使わないで!」
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・話はめでたく御破算!
さすが、カメキチ! 情報が早い!
ホッとする、ピョンサブローとヘビオ。
恋敵の2人から、共通の敵が去って行ったのだった・・・
それにしても、イマドキ「お見合い」なんてな・・・そう言えば、ピョンサブローが好きな「花咲舞」も、1度だけお見合いしたことがあったな。
ヘビオ、オレは「不祥事」も「花咲舞が黙ってない」も読んでるけど、お見合いのシーンなんてないぜ!
ちなみに「跳ぶ読書」の中では、『花咲舞』関連2冊は下記参照してね!!!
ピョンサブロー、まだまだ青いな・・・下記をKindleで読んでないのか!
「え・・・読んでない」うろたえるピョンサブロー。
勝ち誇ったように、ヘビオが言った。
「こんなシーンがあるんだぜ!」
人生初お見合いであった。一週間前、見合いや縁談を趣味としている叔母が、なんらかの事情で花嫁候補にドタキャンをくらい、「この通り。一度だけ」、と拝み倒されてきた形ばかりのものである。
池井戸潤 「犬にきいてみろ」
「もちろん、こんなお見合いがうまく行くはずはなかったけどな・・・『犬にきいてみろ』はKindle Singleの電子書籍でしか読めない人気作なんだぜ!」
勝ち誇り、得意げなヘビオだったが・・・
ヘビオもまだまだ青いな・・・
黙って聞いていたカメキチが、口を開いた。
11-② 会社を私物化するような社員は、 いつだって会社の敵
ピョンサブロー、キミが読んだのは下記じゃなかったかい?
そう、この「中公文庫」版だ。このイラストが印象的だったね。単行本ではなくてすぐに文庫で出たから、すぐに買ったのをよく覚えているよ!
今は、下記が出ているのを知ってるかい?
この「新装増補版 講談社文庫 版」には、特別収録短編として「犬にきいてみろ」が収録されてるのさ!
そう、電子書籍だけではなくなったんだ!
そうだったのか・・・Kindle Single以外で読めるようになってたんだ・・・・・
カメキチの言葉は続いた。
「それにしてもイマドキ、ビジネス利用のためにお見合いを勧めるなんて、本当に許せないよな! この「犬にきいてみろ」の中でもこんなことが書いてあるんだ」
どんなに実力があろうと、経験と人脈に優れようと、会社を私物化するような社員は、 いつだって会社の敵です。まじめに働いている全ての人にとって、許し難い敵なんですよ
池井戸潤 「犬にきいてみろ」
「今回の一件、私的なことではなく会社のためだったかもしれない。でも「結婚」なんて一生の私的大問題を使用して得意先に取り入ろうなんて、許せない。ピョン子を私物化しているようなものだ!まさに会社を私物化するような社員は、 いつだって会社の敵だ!」
カメキチの言葉に、うなずくピョンサブローとヘビオだった。
11-③ なんで、みんなを幸せにできないんだろう
カメキチの言葉は続いた。
「『犬にきいてみろ』にはこんな言葉もあるんだ」
なんで、みんなを幸せにできないんだろう
池井戸潤 「犬にきいてみろ」
「善良な中小企業の社長が、自分の無力さを嘆くシーンだ。「なんで、みんなを幸せにできないんだろう」という言葉はこの社長だけでなく、オレ達にも突き刺さるよね。会社を私物化するようなとんでもないヤツが出てくるなんてさ、確かに経営者のせいかもしれない。でも、そんなヤツを輩出してしまうオレ達の土壌も問題なんだよね。」
ピョンサブローもヘビオも、返す言葉もなかった。
「ところでさ・・・」
沈んだ雰囲気を変えようと、ピョンサブローが話し始めた。
「さっきの『犬にきいてみろ』が「花咲舞が黙ってない」の「新装増補版 講談社文庫 版」に収録されている件だけど、じゃあもう文庫に収録されているということはKindle Single版はもう価値はないのかなぁ」
いや、そんなことはない。下記は読んだかい?
こんな作品もあったんだ・・・・・・
オレも知らなかった・・・・・・
Kindle Singleって、本になってないこんな隠れた名作もあるんだぜ!
「この『なるへそ』という作品は、このカメキチ様が知る限り印刷物として単行本は出ていない。将来『池井戸潤 全集』でも出れば別だけどね。」
オレもその「なるへそ」って読んでみたい・・・・・
「ピョンサブローにお勧めなのはAmazonの「Kindle Unlimited 無料体験」だね。要は本のサブスクさ。読み放題だぜ!下記のリンクで、とりあえず無料体験してごらん。「なるへそ」も「犬に聞いてみろ」も読めるし、なんと言っても他の数多くの作品が読み放題だぜ!」
Kindle Unlimitedはこちらから「ピョンサブローのように「犬にきいてみろ」だけ読みたい人はAamazonでKindle Singleで購入するのもいい。「Kindle Unlimited読み放題」に入るのもいい。また、紙で読みたい人は文庫版で購入すればいい。電子書籍と印刷物、どちらも一長一短。でも言い換えれば、選択の自由と機能の取捨選択ができる。オレ達にとって望ましいのでは?」
いろいろ選べるってのが、いいんだよね・・・
ところで知ってるかい? 新たな池井戸作品の映画化が決まったんだ!
「アキラとあきら」だろ!とっくに知ってるよ!!!
それは2022年夏公開だね。「その次」の話だぜ!!!
「えっ・・・・・・」
新たに映画化に決まった作品とは何か・・・・・・当然、次回に続く
まとめ 「犬にきいてみろ」
・「なんで、みんなを幸せにできないんだろう」、本当に「幸せ」が欲しいですね。でも「幸せ」って、所詮は結果的なものなのかなぁ・・・そんな風にも思ってます。今を精一杯後悔なく生きること、それが「幸せ」に繋がるのですかね・・・・・・
・「犬にきいてみろ」って、文庫版に収録されるまでは「知る人ぞ知る」というレアな作品でした。文庫版の収録、ある意味では喜ばしいですね。お見合いの明細やあらすじは・・・・・・もちろん、記載しません。リンク先等参照下さい。
・本文中で紹介した「なるへそ」こそ、「知る人ぞ知る」作品なのかも? 池井戸作品ファンは必読でっせ! Amazonでぜひ読んでね!
あるいは下記から・・・
・新たに映画化が決まった作品とは・・・次回、お楽しみに
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向日葵(ひまわり)の花言葉って知ってるかい?
「私はあなただけを見つめる」等があるのさ
見た目は派手だけと、はかないね・・・・・・
いつの間にか、ピョン子を見つめ続けていたピョンサブロー
お見合いが破談でちょっとだけ安心していた
でも、何かの予感があった・・・そう、何かの・・・
1-11-11話終了/1-12-12話に続く
*2022年4月30日初掲載