【池井戸潤おすすめ】5/花咲舞が黙ってない/1-5-5話

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運命

それは、抗(あらが)えないもの

でも、抗って行こうとするのが人間

タンポポの種が飛んでいく

抗えず、その風に身を任せて・・・・・・

目次

5-① 運と巡り合わせ・・・・・・人は生まれ持ったモノがある

ピョンサブローは最近考えていることがある。

人生、運と巡り合わせって、生まれつきでどうしようもないものなのか?

ピョンサブロー
ピョンサブロー

生まれてきた運命、変えられないのかな・・・

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」では次のような記載がある。

この男にはひとつ重要なものが足りない気がした。運だ。銀行員としての、いや社会人としての運――巡り合わせとでもいおうか。

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」

努力しても、生まれつきの運・運命・巡り合わせはどうしようもないのか・・・

じゃあ、努力しても無駄なのか・・・

ヘビオのようなイヤなヤツと出会うのも運命か?

ヘビオ
ヘビオ

何か、言ったか?

ピョンサブロー
ピョンサブロー

いや、何も言ってない・・・

ちょうど、ヘビオが通りかかった。

その偶然、いや運命?

戸惑うピョンサブローだった。

5-② 真実と虚偽・・・・・・見抜けるのか?

ピョン子
ピョン子

例の見積、できたかしら?

朝から、ピョン子に声を掛けられる。

ドキドキするピョンサブローだった。

ピョン子
ピョン子

どうなの?

やべぇ・・・ピョン子から頼まれてたイタチ商事の見積、すっかり忘れてた・・・

焦るピョンサブロー

何とか、ここは言い繕ってごまかさねば・・・

ピョンサブロー
ピョンサブロー

いやぁ、ちょっと忙しくてさぁ・・・まだまだ検討中なんだ

ピョン子
ピョン子

嘘だよね!

いいとこ突くじゃねえか・・・

ピョンサブローは、池井戸潤「花咲舞が黙ってない」の下記記載を思い出していた。

いずれにしろ、相手が真実を述べているのか、虚偽を口にしているのか、それを見抜くだけの自信が舞にはあった。長年、大勢のお客様と接して培ってきた自信だ。

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」

花咲舞は、真実と虚偽を見抜く力があった。決して生まれながらのものではない。

長年の経験値だ。

ピョンサブローは直観的に感じた。ピョン子に、ごまかしは効かない・・・・・・

ピョンサブロー
ピョンサブロー

ごめんなさい。忘れてました・・・

ピョン子はあきれた目でピョンサブローを見た。

でも、一瞬の鋭さが笑顔に変わった。

ピョン子
ピョン子

あきれたけど、まあ素直ね。

ピョン子は続けた。

ピョン子
ピョン子

まだ嘘やごまかし言うようなら、恫喝してたけどね・・・・・・まあ「なるはや」でお願い!

素直に言ってよかった・・・よかった、「恫喝」されずに済んだ・・・

やはり「デキる女」は、真実と虚偽を見抜くことができるのかなぁ・・・

5-③ 凄み・・・・・・人間の器

ピョンサブローは発奮した。

「ピョン子をうならせる見積書類、絶対作ったる!」

今宵は残業だ。がんばるピョンサブロー。

カメキチ
カメキチ

ピョンサブロー、赤羽の立ち呑みに行こーぜっっ!

こんな時に決まって入る悪魔の誘い。いや、負けるわけにはいかないんだ!

ピョンサブロー
ピョンサブロー

ごめん! どうしても片づけなければならない仕事があるんだ!まだまだ、終わらないんだ!

カメキチ
カメキチ

了解! がんばれよっっ!

ふう、無事に誘惑に負けなかった自分を褒めよう。

ところが・・・

ヘビオ
ヘビオ

ピョンサブロー、ちょっと呑みに行かないか?

珍しい・・・ヘビオから、こんな事言われるなんて・・・

ピョンサブロー
ピョンサブロー

ごめん!今日だけはごめん!
どうしても今日やらねばならない仕事があるんだ。

ヘビオ
ヘビオ

わかった・・・今日は「貸し」にしておこう。がんばれよ!

何が「貸し」なんだか・・・でも悪魔の誘い第2弾は無事にやり過ごした。

ピョンサブローは仕事に没頭した。その合間、ふと考えた。

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」の花咲舞、とても魅力的だ。

でもこの小説では、珍しく他の小説の有名人が登場する。

半沢直樹だ。

このような記述がある。半沢直樹、初登場シーンだ。

男には独特の気配が漂っていた。果たしてそれがなんであるかと考えた八坂が辿り着いた結論は、凄み、である。

(中略)

たかが金貸し、されど金貸し。

この半沢という男が発しているのは、金貸しの凄み、まさしくそのものであつた。

池井戸潤「花咲舞が黙ってない」

半沢直樹は、ピョンサブローの憧れだった。

そう、こんな大きな、そして「凄みのある」男になりたかった。

他の小説にまででてくる程、キャラ立ちしている「凄みのある」半沢直樹の人間の器

「半沢直樹のような男になってやるんだ!」

そんなことを考えながら、残業の夜は更けていった・・・当然、次回に続く

まとめ 「花咲舞が黙ってない」

3行革命(Reading Point=跳ぶPoint)
  1. 生まれながらの運、巡り合わせは存在する。
  2. 真実と虚偽、見抜く実力がある人もいる。
  3. 「凄み」のある人もいる。

・「花咲舞」シリーズ、2冊目。単行本にはならず、いきなり文庫で発行されました。

・「狂咲」こと舞がやはり大活躍。あらすじは・・・もちろん記載しません。

・ピョンサブローが上記で述べた通り、半沢直樹も登場。そんな意味でも、お得な一冊です。

・「花咲舞」シリーズ、残念ながらもう続編の予定はないそうです。池井戸先生そんなこと言わずに、何卒よろしくお願いします。杏さん主演の DVD、こっちももっともっと続きがみたいです・・・

帰り道、ピョンサブローは種が飛び立った後のタンポポを見た

誇らしさを醸し出していた

そう、ひと仕事終えた誇りと安堵

オレの方はまだまだだな

・・・そう思うピョンサブローだった

1-5-5話終了/1-6-6話に続く

*2022年3月9日初掲載

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