運命
それは、抗(あらが)えないもの
でも、抗って行こうとするのが人間
タンポポの種が飛んでいく
抗えず、その風に身を任せて・・・・・・
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5-① 運と巡り合わせ・・・・・・人は生まれ持ったモノがある
ピョンサブローは最近考えていることがある。
人生、運と巡り合わせって、生まれつきでどうしようもないものなのか?
生まれてきた運命、変えられないのかな・・・
池井戸潤「花咲舞が黙ってない」では次のような記載がある。
この男にはひとつ重要なものが足りない気がした。運だ。銀行員としての、いや社会人としての運――巡り合わせとでもいおうか。
池井戸潤「花咲舞が黙ってない」
努力しても、生まれつきの運・運命・巡り合わせはどうしようもないのか・・・
じゃあ、努力しても無駄なのか・・・
ヘビオのようなイヤなヤツと出会うのも運命か?
何か、言ったか?
いや、何も言ってない・・・
ちょうど、ヘビオが通りかかった。
その偶然、いや運命?
戸惑うピョンサブローだった。
5-② 真実と虚偽・・・・・・見抜けるのか?
例の見積、できたかしら?
朝から、ピョン子に声を掛けられる。
ドキドキするピョンサブローだった。
どうなの?
やべぇ・・・ピョン子から頼まれてたイタチ商事の見積、すっかり忘れてた・・・
焦るピョンサブロー
何とか、ここは言い繕ってごまかさねば・・・
いやぁ、ちょっと忙しくてさぁ・・・まだまだ検討中なんだ
嘘だよね!
いいとこ突くじゃねえか・・・
ピョンサブローは、池井戸潤「花咲舞が黙ってない」の下記記載を思い出していた。
いずれにしろ、相手が真実を述べているのか、虚偽を口にしているのか、それを見抜くだけの自信が舞にはあった。長年、大勢のお客様と接して培ってきた自信だ。
池井戸潤「花咲舞が黙ってない」
花咲舞は、真実と虚偽を見抜く力があった。決して生まれながらのものではない。
長年の経験値だ。
ピョンサブローは直観的に感じた。ピョン子に、ごまかしは効かない・・・・・・
ごめんなさい。忘れてました・・・
ピョン子はあきれた目でピョンサブローを見た。
でも、一瞬の鋭さが笑顔に変わった。
あきれたけど、まあ素直ね。
ピョン子は続けた。
まだ嘘やごまかし言うようなら、恫喝してたけどね・・・・・・まあ「なるはや」でお願い!
素直に言ってよかった・・・よかった、「恫喝」されずに済んだ・・・
やはり「デキる女」は、真実と虚偽を見抜くことができるのかなぁ・・・
5-③ 凄み・・・・・・人間の器
ピョンサブローは発奮した。
「ピョン子をうならせる見積書類、絶対作ったる!」
今宵は残業だ。がんばるピョンサブロー。
ピョンサブロー、赤羽の立ち呑みに行こーぜっっ!
こんな時に決まって入る悪魔の誘い。いや、負けるわけにはいかないんだ!
ごめん! どうしても片づけなければならない仕事があるんだ!まだまだ、終わらないんだ!
了解! がんばれよっっ!
ふう、無事に誘惑に負けなかった自分を褒めよう。
ところが・・・
ピョンサブロー、ちょっと呑みに行かないか?
珍しい・・・ヘビオから、こんな事言われるなんて・・・
ごめん!今日だけはごめん!
どうしても今日やらねばならない仕事があるんだ。
わかった・・・今日は「貸し」にしておこう。がんばれよ!
何が「貸し」なんだか・・・でも悪魔の誘い第2弾は無事にやり過ごした。
ピョンサブローは仕事に没頭した。その合間、ふと考えた。
池井戸潤「花咲舞が黙ってない」の花咲舞、とても魅力的だ。
でもこの小説では、珍しく他の小説の有名人が登場する。
半沢直樹だ。
このような記述がある。半沢直樹、初登場シーンだ。
男には独特の気配が漂っていた。果たしてそれがなんであるかと考えた八坂が辿り着いた結論は、凄み、である。
(中略)
たかが金貸し、されど金貸し。
この半沢という男が発しているのは、金貸しの凄み、まさしくそのものであつた。
池井戸潤「花咲舞が黙ってない」
半沢直樹は、ピョンサブローの憧れだった。
そう、こんな大きな、そして「凄みのある」男になりたかった。
他の小説にまででてくる程、キャラ立ちしている「凄みのある」半沢直樹の人間の器。
「半沢直樹のような男になってやるんだ!」
そんなことを考えながら、残業の夜は更けていった・・・当然、次回に続く
まとめ 「花咲舞が黙ってない」
- 生まれながらの運、巡り合わせは存在する。
- 真実と虚偽、見抜く実力がある人もいる。
- 「凄み」のある人もいる。
・「花咲舞」シリーズ、2冊目。単行本にはならず、いきなり文庫で発行されました。
・「狂咲」こと舞がやはり大活躍。あらすじは・・・もちろん記載しません。
・ピョンサブローが上記で述べた通り、半沢直樹も登場。そんな意味でも、お得な一冊です。
・「花咲舞」シリーズ、残念ながらもう続編の予定はないそうです。池井戸先生そんなこと言わずに、何卒よろしくお願いします。杏さん主演の DVD、こっちももっともっと続きがみたいです・・・
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帰り道、ピョンサブローは種が飛び立った後のタンポポを見た
誇らしさを醸し出していた
そう、ひと仕事終えた誇りと安堵
オレの方はまだまだだな
・・・そう思うピョンサブローだった
1-5-5話終了/1-6-6話に続く
*2022年3月9日初掲載