春の花の代名詞、チューリップ
確かに美しい
でも俗っぽい醜さ、そして虚しさも同胞
ピョンサブローは、駅の花壇のチューリップを見てそう考えていた
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7-① 心のどこががひん曲がっているヤツ
頭痛ぇー。昨日はカメキチと呑み過ぎた・・・・・・
ピョンサブローは朝から、二日酔いに苦しんでいた。
そう、1-6-6話の翌日の話だ。
カメキチに、とことん赤羽で呑まされた翌日である。
バサッ!
書類の束がピョンサブローの机に投げ出された。
この資料、明日の朝まで作っといてくれ!
これがヘビオの「魔の手」である。
そして、面倒な資料だと一目でわかった
ピョンサブローは二日酔いの気分の悪さも手伝って、腹が立った
お前、それが人にモノを頼む態度か!
お前の仕事だろ・・・お前は仕事を放棄するのか!
なんだとぉー!
ピョンサブローは激怒した。
つかみかかろうとしたその時・・・
まあ、ふたりとも落ち着け!
さすが、カメキチ。
ジャストタイミング!
ピョンサブローの脳裏には、その時池井戸潤の「オレたち花のバブル組」の一節が頭に浮かんだ。
金融庁検査官、黒崎の初登場シーンだ。
(黒崎は)育ちのいいのは見てわかる。だが同時に、心のどこががひん曲がっていることも見ただけでわかった。
池井戸潤「オレたち花のバブル組」
ピョンサブローは考えた。
そう、心のどこががひん曲がっているヤツは実在するんだ・・・・・・
ちなみに、テレビドラマ「半沢直樹」では片岡愛之助さんが熱演。
そう、あの「オネエキャラ」が愁眉でしたね。
DVD欲しくなってきたなぁ・・・
7-② 人生の半分は仕事。その半分、諦めるな。
ヘビオと騒動、カメキチのファインプレーにより何事もなかったかのように終わった。
ピョンサブローはカメキチをランチに誘った。
さっきは、ありがとな!
とんでもない! 次の赤羽立ち呑み、ごちそうしろよ!
了解です!(苦笑)
ピョンサブローは言った。
「こんな事が続くと、仕事がイヤになっちゃうんだよな・・・」
カメキチはため息をつきながら、答えた。
「池井戸潤の「オレたち花のバブル組」にこんな一節があるんだ
人生の半分以上も時間を費やしているものに見切りをつけることは、
人生の半分を諦めるのに等しい。
池井戸潤「オレたち花のバブル組」
仕事ってさ、人生で約半分以上も時間を費やしているだ。
その半分を諦めるということは、人生の半分を諦めることなんだ・・・」
何も言えず、うなずくピョンサブローだった。
7-③ 人生は一度。ふて腐れているだけ、時間の無駄。
カメキチの言葉は続いた。
「さっきの池井戸潤の「オレたち花のバブル組」の結末、こんな一節で終わるんだ。
たとえどんな理由で組織に振り回されようと、人生は一度しかない。
ふて腐れているだけ、時間の無駄だ。前を見よう。歩き出せ。
どこかに解決策はあるはずだ。
それを信じて進め。それが、人生だ。
池井戸潤「オレたち花のバブル組」
いいかピョンサブロー、ふて腐れていても仕方ないんだ。
解決策、絶対にある。それを信じて進むのが人生なんだ。」
そうだな・・・・・・
ピョンサブローは、うなずくことしかできなかった。
「ところでさぁ」
ヘビオがピョン子を狙っているってウワサ、知ってるかい?
さすが、既に社内で1・2を争う情報通のカメキチだ。
えっっ!!!
動揺が隠せないピョンサブロー ・・・・・・ 当然、次回に続く
まとめ 「オレたち花のバブル組 半沢直樹2」
1.心のどこががひん曲がっているヤツは、存在する
2.人生の半分は仕事。その半分、諦めるな。
3.人生は一度。ふて腐れているだけ、時間の無駄。
・半沢直樹シリーズの第2弾がこの「オレたち花のバブル組」。あらすじは・・・もちろん、書きません。上記リンク先で詳細は確認下さい。
・小説なんだけど、人生を指南してくれる・・・これが池井戸作品の真骨頂で、最も優れている所だと痛感します。
・書き進めているうちに、それぞれのキャラクターが一人歩きして来ました。頼りになるカメキチ。腹が立つイヤなヤツのヘビオ。憧れのヒロイン・ピョン子。濃いキャラクターに囲まれて、ピョンサブローの今後は・・・筆者も楽しみです。
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童謡でもよく歌われるチューリップ
その美しさは、残忍さも連想させる
花の最期
それは、春の終焉でもある・・・
1-7-7話終了/1-8-8話に続く
*2022年3月26日初掲載